アンチＬＥＩＣＡ宣言 digicamek.exblog.jp

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話は前後するが、「柿の季節」の記事で、
RX100M3が不調だ。
E:91:01が画面上で点滅する。
と書いた。

RX100M5がちらついて修理を躊躇っていたが、やはり修理に出した。
それが1週間ほど前に帰ってきた。
写真は交換された基盤だ。

おまけに裏蓋まで交換された。

費用はもう少しで初代RX100が買えそうなプライスだった。

トランスカバーの固定とトップパネル、フロントパネルを固定。
300BはPSVANE WE300Bに取り替えた。
ラベルの貼り付けとセイフティーカバーを取り付けて完成だ。

ところが４時間位聞き込んだ頃、左側の音に違和感を感じ始めた。
真空管をSVETLANA300B FullMusic300Bと変えると最初の5分くらいは綺麗に鳴っているが、やがて音がかすれ始める。

仕方が無いのでアナログテスターで電圧チェック。
約半分くらいのところでテスターのヒューズを飛ばし、スペアも敢えなく即死。

最近、根気が続かなくなった。
ザ・キット屋さんに助けを求めて電話。
エレキットに連絡を入れてくれるという。

程なくエレキットの開発部の方から電話をいただいた。
事情を説明すると「恐らくPTCのエラーだと思います。お送りしますので交換してみて下さい。」との事であった。

PTC は過電流回路保護デバイス。

取り敢えず待つことに・・・

午前中は空撮があった。
昨晩DJI GS Proのプログラムを作成しておいたが何故か起動せず、マニュアルでの空撮となった。
前回DJI GS Proの便利さには吃驚したが、オートパイロット故の怖さも感じた。
マニュアルだと自分がコントロールしなければホバリングしているので安心感がある。
212カットの静止画と3本の動画を撮影した。

成果品納品後、昨日の続き・・・基板をシャーシに取り付け。
トランスラックを取り付けて配線を接続。
ここでチェックポイントの電圧チェックだが、デジタルテスターが行方不明のためパス。
あり合わせのMT管とFullMusic製の300Bを挿して聴いてみた。
期待に違わぬいい音だ。

ここまでの作業時間、約16時間。
後少しだ。
続く・・・

ここの所、これをやっていた。
エレキットの300BアンプTU-8600の組み立てだ。
裏側の部品取り付け状況だ。
「何故、人は300Bアンプを何台も作るのか？」
「残留ノイズレベルは当社TU-8300(R)の1/10以下を実現しています。」
元々TU-8300も静かなアンプだ。
これで気持ちがが動かない訳がない！カップリングコンデンサーは付属のポリプロピレンフイルムコンデンサからザ・キット屋さんおすすめオプション JENSEN銅箔0.22uFオイルコンデンサに交換。

明日はフライトが入ったので機体メンテナンスのため、ここまで・・・

WE310Aトップマークを撮ってみた。
黄色のプリントよりは古いと思われるが詳細は知らない。

ロゴは半透明の金色のエナメルプリントのようで簡単に光りを通して見えなくなる。
光を良く反射するポイントを探して何10枚も撮った。
残ったのはたったこれだけ。
上2枚がDSC-RX100M3。
これはRICOH R10で撮ったもの。

RICOH R10はかなり古いがマクロ撮影では捨てがたいものがある。

かつてElmarit 28mm F2.8 の第1世代が欲しくて、ネット上で探し回ったことがある。
しかし、そのころは最高騰期、あっても手が出なかった。

あれから数年が経過。
先日の『LEICA』の雑誌を見て再び探してみることに・・・。

探して、探して、探して、在った！
問い合わせてみたところ
「前後レンズ中にはクモリ.カビ.スクラッチ.コバの剝げ等々は全くございません。」
と云うので、安心してオーダーした。
来たのが右側のこれだ。
1964年頃の製造らしい。

装着前にレンズの中を覗いて唖然とした。
コバの剝げ
ホコリ・クモリ
スクラッチバルサム切れ

コバの剝げ・スクラッチ・バルサム切れ、はレンズの三大疾病と呼んでもよい位のモノだ。
殊にバルサム切れは致命的でレンズとしての価値はゼロだ、と思う。

もう健全な玉は残っていないのだろうか。

組み立てチェック時にセメント抵抗の温度上昇に驚いたが、長時間使ってみてもシャーシーが異様に熱くなるなどの不都合は起こらなかった。
このまま使っても問題は無い様に思われたが、既にDaleのメタルクラッド25Wを注文していたので換装してみた。

メタルクラッドは2A3も差し替えられる様、片chに2個入れてトグル・スイッチで1個と2個並列切り替えを考えて4個用意していたが、結局内部が狭いため2個並列切り替えは諦めた。
ねじ止めも孔をあけたりタップを切ったりと敷居が高いので、3Mの熱伝導性両面テープで貼り付けた。
序でにチョークコイルの配線の入れ替えも意味が無かった様なので、確認のため元に戻した。
最後に各部の電圧チェック。
整流管のフィラメントの電圧は5.23V、その他もほぼ適正値に収まった。

裏蓋を閉める前に遊びのあるリード線をインシュロックタイでまとめた。

これで昨年末からの懸案事項は全て対処した。

今回は試聴の結果、好印象のものから順に並べた。
なお、真空管の後ろが黄色いのは、プレートをLEDライトで照らしたため陰の部分が電灯光の影響を受けた事による。
RCA/Cunningham 2A3
1933年頃最初に開発された単板プレート構造。
プレートは黒色で、フィラメントは2箇所のコイルスプリングで吊る。
ゲッターは半円形の金属片。

音は出始めた途端、場の空気感が変わった。
管楽器の息が吹き抜ける音、演奏者の手や体の動きまで伝わってくる様だ。
2A3で初めて音源に入っている音がすべて聞こえた気がした。

KEN-RAD 2A3
独立した2枚のプレートはSylvaniaより更に近接している。
フィラメントはカンチレバーで吊る。
管内は黒くカーボンスートされており、ゲッターの形状は見えない。
1940年代。

音は重厚で力強くゴージャスだ。

SYLVANIA 2A3
独立した2枚のプレートはＨ型より近接している。
ブラックプレート、フィラメントはマイカに通して折り返すのみ。
ゲッターの形状はコの字形で2本のリボンを張る。
1940年代。

音は重量感があり豊か。
ピアノの音がとても綺麗。

RCA 2A3
Ｈ型プレート並列構造。
フィラメントをマイカに通して折り返すのみの構造。
ゲッターの形状はコの字形でリボンを張る。右側はダブルゲッター。
1940年代・1950年代。

音は端正で自然、WE300Bとファンを二分するのが良く判る。

マツダ 2A3
Ｈ型プレート、初期2枚プレート並列に近い構造。
プレートは黒色で、フィラメントは4箇所のコイルスプリングで吊る。
左右で最も形が整っているのは日本製品らしい。
初期型1940年代。

音は力強く低音が豊か。

Visseaux 2A3
Ｈ型プレート並列構造。
プレートは艶のある黒色で、フィラメントはカンチレバーによる吊り。
ゲッターは半円形の金属片の中心部を凸状に押し出した物。
店の説明では1940年代初期。

音は低音の厚さに資質の片鱗が窺えるが、高域の抜けは評判程には思わなかった。（以前低音が出ないと書いたが誤り、低音の少ない音源で試聴していた模様。）
この個体がへたっているのかも知れない。

SOVTEK 2A3
濃い灰色の一枚プレート、WE300Bに似た構造。
フィラメントは4箇所のコイルスプリングで吊る。
ゲッターは皿形のダブルゲッター。
現行品。

音はクリアーでスマート。
低域は締まっている。

まとめ
シングルプレートが別格であるということは先輩諸氏の意見に首肯せざるを得ない。
またKEN-RAD 2A3も自分としては外せない。
今回試聴した2A3は全てブラックプレートで好印象、マツダ 2A3の健闘も嬉しい。

最後のSOVTEKは現行版2A3と云うことで特別参加だ。

KEN-RADに続いて2A3シングルプレートを見つけた！内部構造は全く同じだが袴部分の刻印が違う。
写真に上手く出ていないが左側の刻印は線が細く繊細だ。
両者とも薄いMAZDAのプリントがある。1本はRCAの商標があって
その右側に
Cunningham
Radiotron
と2行で彫られている。
もう1本はRCA の商標があって2A3
後ろ側左に
LICENSED
AS STATED
ON CARTON
右側に
Cunningham
MADE IN USA
Radiotron
と上下3行に刻印されている。9本のフィラメントがバーによって2個のコイルスプリングで吊られている。Visseauxと同じくゲッターは半円形の金属片の中心部を凸状に押し出した皿状の物で両側からしっかり支えられている。

もう集めないつもりでいたがカーボンスートされた2A3を見つけてしまった。
Tung-SolやHEINTZ＆KAUFMAN STEWART Airline にも同様の2A3があるが、いずれも酷似している。

中が黒く塗られているため詳細は判らないが、光に翳してみると2枚プレート構造であることが判る。
プレートの間隔はSYLVANIA 2A3より狭い。

JAN-CKR-2A3で軍用版。
上下のマイカは十字形で4本の支柱で耐震性を高めている。フィラメントはカンチレバーによる吊り。
ゲッターの形状は見えない。
1940年代。

新品と言うことなので暫くエージングしてから評価したい。
出音が楽しみだ。