奥池自然科学研究所
http://bluediscus.exblog.jp/では、日夜ヘビー級のスピーカーが製作されている。
私自身、音の出口であるスピーカーにも興味があるが、いかんせん知識、作業スペースと体力と、その他諸々欠如しているモノが沢山ある。
そこで今回もキット屋製品で、こぢんまりとスピーカー造りに挑戦してみた。
今回挑戦するのはSA/F80AMG専用バックロードSPキットのリファレンスとして生を受けた「Y-08」。エンクロージャーサイズ : H430mm×W170mm×D350mmと、それほど大きくない。
※写真は真空管オーディオ ザ・キット屋さんのネットカタログから拝借した。
店主日記(抜粋)に拠ると
まずは私どもにとっても超定番、既に1000ペア超を売り上げたF80AMG搭載のバックロードの音には本当に言葉を失いました。凄いです!
どうと言うことのないシナ合板製のバックロードエンクロージャに収められたF80AMG。多分このユニットを使ったSPの音を日本で一番聴いている私にとって「今までで最高のAMGバックロードの音」はコレ!と断言してしまいましょう。
梱包を開けてみると板が26枚、二台分なので一台当たり13枚の部材が超精密にカットされている。
組み立てはケガキ線に合わせてボンドで貼って下穴にビスを挿して止めて行くが、一分の狂いもないカットだ。
ただ最後の天板についてはシナ合板の厚みの誤差があった場合目違いが出来ても修正が出来ないため0.5㎜大きくカットしてあるので振り分けで合わせてください、とある。
木ビスは1本あたり80本。
スピーカー一組で160本使う。電動ドライバーでないと手の皮がむけてしまうだろう。
組み立てる事4時間、夢中で作業を進める余り写真が一枚もない。
仕上げにオイルステインを二度塗りをして乾燥させてからワックスで仕上げた。
塗装は初めてで、少し斑が出来たが、これが手作りの味わいだ。
更に店主日記(抜粋)
80AMGというユニットの素晴らしさはこのサイズでこの低域、という意外性。今までどれだけの方が私どもの試聴室で、或いは自作のエンクロージャに入れて目を丸くされたことでしょう。これが8cmの音!? まずこのY本式バックロードはガバっとVOLを上げても音が遅れたり膨らみ過ぎたりすることなく、ばっちり追従してくるところに先ず驚愕です。そして音の輪郭が滲んだりボケたるすることも全くありません。ホリーコールの声の何と艶やかなことよ!クリスチャンマクブライドのベースのボーイングの何という生々しさ!これぞドメスティックオーディオ(価格という概念を超えた価値を持ち、ずっと手元で慈しんでいただけるオーディオ機器,またそのスタンスを評して以前から"ドメスティック"と呼んでいます)の最高の悦楽と興奮しました。
全く仰るとおり、参りました。
しかし、こんなに小さなモノを作って楽しいのだから奥池自然科学研究所の所長さんもさぞかし毎日が楽しい事だろう。
いや、苦悩の日々かもしれない。