12月9日ロードショーが封切られた。
映画は初日に行きたい方だが、どうしても用事が重なって行けなかった。
やっと行けたのが11日。
「硫黄島」2部作第1弾、アメリカから見た硫黄島『父親たちの星条旗』を観て以来、待ちかねていた映画だ。
映画を見たらすぐブログに何か書きたくなるのだが、今回ばかりは重かった。
観てから1週間が経った。未だに未消化で何かが胸につかえたままだ。
戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、ひとりの指揮官が硫黄島を守るため派遣された。陸軍中将、栗林忠道。
「我々の子供たちが、日本で1日でも安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る1日には意味があるんです。」時に父親の顔を見せる。
アメリカ軍の上陸を目前に「祖国のため我々は最後の一兵になろうとも、この島で敵を食い止める事が責務である。生きて再び祖国の土を踏めることなき物と覚悟せよ。」と最後の訓示をする。
5日で終わるとされた戦いを36日間戦い抜いた男たち。
およそ2万2000の兵士の中で、生き残ったのはわずか1000名程度であったと言う。
父も戦争に行ったが、ほとんど戦争の話を聞いたことがなかった。
戦後の歴史教育に於いても殆ど触れることはないし、教科書は自虐的な記述が目立つ。
その時代に於いては大義名分があって始められたのであろうが、時代を経て振り返ってみれば戦争ほど不条理で無慈悲な物はない。
61年の歳月を経てまさかアメリカのクリント・イーストウッド監督から、その戦争の一部を知らされるとは思いもしなかった。
戦争で亡くなられた方、生き残って帰ってこられた方、すべての方々に感謝と畏敬の念を抱かずには居られない。