JMTEC 300Bを1ペア見付けた。
取り寄せたが1本のフィラメントが点かない。
ショップに連絡を入れると、
「そんなはずはない。」
「全て音出し確認して発送しています。」と言う。
ピンの1本の半田が手直しされた跡がある。
それが上手く繋がって居ないのでは?
と気が付いたことを伝えると、
「そんな事はしていない、兎に角送り返して下さい。」
「代わりはないので返金用の口座名を添付して下さい。」とクレーマー扱いだ。
その店がHPに載せている写真をプリントアウトして手直しされている箇所を示し、出来れば直して欲しい旨書き添えた。
後日電話で、
「真空管試験器だと点灯しますが、アンプだと点きませんでした。」
「仰る様にピンの半田をやり直したら点く様になりました。」
「本日送り直します。」と連絡があった。
そのJMTECが届いた。
早速アンプに挿して、電源を入れれると、フィラメントが点った。
ところが、今度は音がおかしい。
音が小さく、歪んで高音が出ていない。
送り返しても埒があかない、後は自分でやるしかない。
テスターでフィラメント間を計ってみると健全な方は1.1Ω、不良の方は1.1から18Ω位までコロコロ変わる。
半田の手直しがうまくいっていないのかもと、半田を溶かしてみた。
半田が全然入っていない。
細いドリルでピンの内側とリード線を磨いて半田を入れてみた。
だが改善しなかった。
細いピン②と③のPとGも半田を抜いて中を磨いて再半田した。
おー、今度は直った。
音は良い。
むさぼるようにCDを6〜7枚聴いた。
JMTEC 300Bは岡谷製だとか、USR 300Bも同じものだとか色々な話がある。
1970年代中頃には、他に、ZAIKA 300B、KDS 300Bなどの国産300Bが有った。
岡谷製のHF 300Bの現物を見たことは無いが、ネット上にある写真を見る限り角型ゲッターで、ステムの上面はでこぼこで平坦ではない。
しかも岡谷は絶対に合成マイカを使わなかった。
一方、JMTEC 300Bはプレート下のマイカは合成マイカ。
リング状のダブルゲッター、ステムの上面は平坦に仕上げられており、岡谷製とは考えられない。
しかし、再び言うが音は良い。
WE 300Bが手に入れられない場合、JMTEC 300Bでも十分楽しめる。