SV-4のエージングが終われば真っ先に辻井伸行さんの
『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番』を聴くつもりで用意していた。
伸行さんは2歳3ヶ月の時おもちゃのピアノで「ジングルベル」を両手で和音を奏でながら弾いたという。
10歳の時に弾いた「星に願いを」は大人が弾くような難しいジャズの編曲で、とても耳で音を採ったとは思えない複雑な和音だったそうだ。
どんなに音を重ねても彼はそれを分析して聞き分けることが出来るのだ。
さてSV-4だが、やはり寝起きの悪いアンプだ。
スイッチを入れても10分位は鼻をつまんだような音しかしない。
ところが一旦目覚めれば底なしの音場感と分厚い低音を聞かせてくれる。
音場はスピーカーの外側にまで広がり天井も高い。
聴いていてSV-91Bの様に胸が高鳴るような高揚感は無いが、音に包まれる気持ち良さがある。
写真をクリックして拡大して見て欲しい。
アンプはそのフォルムが醸し出す雰囲気と、それが出す音との間には何か関係があるように思えてならない。
辻井伸行さんのダイナミックでロマンチックなラフマニノフを心から堪能した。
しかし、エージング中に聴いていた『
のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編』の方が録音は良い。
もっとも映画の中ではどういう理由でかサントラ盤CDの生々しさは出ていなかった。