毎日3~4時間ずつ作業をして完成までに4日かかった。
組み立て難度は星★★★、前二作の方が星★★★★で難しかったが、ハンダ付け部分を磨くのに手間を取られた。
スピーカー端子も金メッキの物が奢られていたが、これさえもメッキを紙ヤスリで剥がさないとハンダが載らなかった。
最後に検査をし、左右のバイアス調整、ハムバランスの調整、再び左右のバイアス調整で完了だ。
さて音出しだ。
前二作とは個性が全く違うが、何とも魅力的な音だ。
正に店主の言うとおり「ゾリっと」した音触。
バイオリンとかチェロとか弦の擦れる音が聞こえるようだ。
この音は一つにはシングル、一つには交流点火の賜物で、すべての300Bアンプ共通の音ではないようだ。
トランジスタアンプの場合音の答は一つだと思っていた。
要するに少しでも真実の音に近付くために出来るだけ沢山のお布施が要る・・という風に。
しかし真空管アンプには音が拡がる物、前に出て来る物、奥行き感がある物、真空管の数だけ音がある。
「キット屋倶楽部」の真空管アンプファンの
根津昭義さんと栄子さんのホームページ
私が求める音http://www.nezu.ms/stereo_08.htmlに
「私はCDやレコードを聴く時、演奏家の意図がよく分かるように会場の客席で聞こえる音を聴くように心がけています。ですが弾き方のヒントを得たい時は、演奏家と同じステージの上で少し離れた音を聴くようにしています。(近すぎると迫力はたしかにありますが、全体のバランスが悪過ぎて全体の構成が聞き取れないからです。それに音を遠くに飛ばす演奏雑音が強過ぎます。)
指や弓が弦にあたる音はたしかに面白いでしょうが、バランスの面から言うとやり過ぎです。」
と、仰っているが素人にはこれがとても新鮮で堪らない。